街の対立、傷つく女子高生 抗議活動に「なんで基地に反対するの?」

有料記事沖縄・本土復帰50年

福井万穂
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 隣町のスターバックスに向かう途中、名護市の女子高校生(18)は、友人の車の窓から見る光景に、いつも心がずん、と重くなる。

 名護市の西海岸にある桟橋。数十台のダンプカーが列をなし、次から次へと土砂を運び入れる。ここから船で東海岸の名護市辺野古へ運ばれ、米軍普天間飛行場宜野湾市)の移設に向けた埋め立てに使われている。

 その右折待ちの車列の前を、抗議する人たちがゆっくり歩き、進入を阻もうとする。そのうちにまた、信号が変わる。ダンプは1回の青信号でほんの数台しか港に入れない。

 あの人たち、なんで反対しているんだろう。理由がわからなかった。

 ただ、「対立するのって、すごく悲しい」といつも思う。

 小学生の頃に両親が離婚した。飲食店で働いてきた母は、「お金のことは気にせずやりたいことをやりなさい」と言ってくれた。

 でも、2年前、姉が県外の専門学校に進学を決めたとき、母が学費のことで自宅に父を呼び、言い争うような声を聞いた。

 それ以来、高校の授業が終わると、パン屋居酒屋でアルバイトをしている。将来は都会に出て、ファッションやメイクを学びたい。進学のためのお金を少しでも稼ぎたかった。

 昨年末、別居する父と会った帰り際、チラシを渡された。

 「これ、よかったら顔出して…

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