公立高校に宇宙専門コース新設 国内初、ロケット発射場建設中の町に

滝沢貴大
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 和歌山県は12日、国内初の民間小型ロケット発射場の建設が進む同県串本町の県立串本古座高校に、2024年度から「宇宙探究コース」を新設すると発表した。県によると、公立高校で宇宙専門のコースを設置するのは全国初。生徒は全国から募集する予定で、将来、宇宙分野で活躍する人材の育成を目指す。

 コースは普通科の中に設ける。詳細なカリキュラムや定員数は検討中だが、発射場を運営するスペースワン(東京)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員を講師として招いたり、宇宙やロケットの仕組みなどを学べる専門科目を設置したりする予定という。

 また、コース設置に先駆けて、来年度から「総合的な探究の時間」内で宇宙関連の学びをし、再来年度には選択科目で「宇宙」を新設するほか、県の宇宙関連のイベントに同校の生徒有志を携わらせたいとしている。

 建設中のロケット発射場「スペースポート紀伊」については、指令棟や発射場などの施設はほぼ完成しており、今年末に1号機の打ち上げを予定。スペースワンは小型衛星を運べる全長約18メートルのロケットを20年代半ばに年間20回打ち上げる目標を掲げていて、県は将来的に宇宙産業が地域に集積されることを期待している。

 この日の定例記者会見で仁坂吉伸知事は「全国の宇宙少年よ、来たれ。宇宙や宇宙から広がる科学技術に興味を持ち、伸びていってくれる子どもたちが出てくれば。産業集積が進み、育った人材が串本で働ける好循環も期待したい」と話した。(滝沢貴大)

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    藤井涼
    (UchuBiz編集長)
    2022年1月19日7時39分 投稿
    【視点】

    2021年はブルー・オリジンやヴァージン・ギャラクティックなど各社が宇宙旅行を成功させ、前澤さんがISSに滞在するなど、遠い存在だと思われてきた「宇宙」が人々にとって一気に身近になった年でした。宇宙産業が盛り上がりを見せる中、教育現場でも宇

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