【兵庫】商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社、西宮神社（西宮市）で8日、「十日えびす」（9～11日）を前に、大きな冷凍マグロが奉納された。神戸市東部水産物卸売協同組合などが大漁や商売繁盛を願って1970年から納めており、今年のマグロは体長2・3メートル、重さ230キロだった。

　「お金が身につく」ように願いをかけ、マグロにさい銭を貼り付けるのが恒例。ただ、今年は新型コロナウイルスの感染対策でマグロはアクリル板に覆われた。手で触れることはできないが、参拝客は板越しに眺めたり写真を撮ったりして楽しんでいた。

　芦屋市から家族3人で訪れていた北井翔大（しょうた）さん（8）は、毎年マグロを見に訪れるのを楽しみにしているという。「お金を貼れなかったのは残念だったけど、おっきくてすごかった」と笑顔で話していた。

　十日えびすが終わる11日まで拝殿に飾られる。期間中は他にも境内に熊手などを販売する露店が規模を縮小して80軒ほど並び、9日には有馬温泉の金泉が奉納される「有馬温泉献湯式（けんとうしき）」がある。10日の「福男選び」は2年連続の中止になった。

　「福笹」などの十日えびすの縁起物は2月末まで受け取ることができる。神社は新型コロナの感染拡大防止のため、期間中の3日間とは日をずらしての参拝を呼びかけている。（西田有里）