接種反対国民を「うんざりさせる」 マクロン氏が下品な言葉使い非難

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パリ=疋田多揚
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 新型コロナ感染が急拡大するなか、マクロン仏大統領は5日付の仏紙パリジャンでのインタビューで、ワクチン接種に反対する国民を「無責任でもはや市民ではない。彼らの社会生活をめいっぱい制限し、とことんうんざりさせてやりたい」と非難した。未接種者に圧力をかけて新型コロナの感染危機を乗り切ろうとしたものだが、野党は「国民を分断する発言だ」と猛反発。接種を事実上強制する政府法案の国会審議が一時中断した。

 マクロン氏は感染対策について「ワクチン、ワクチン、ワクチンだ」と強調。成人の9割が必要な接種を終えていると指摘し、「極めて少数の反抗する人々」を「徹底的にうんざりさせる」と述べた。「1月15日からは彼らはレストランにもカフェにも劇場にも映画館にも行けなくなる」とした。国会で審議中の法案に触れたもので、成立すればこうした施設の利用は接種者に限定される。

 マクロン氏が使った「うんざりさせる」というフランス語は「くそくらえ」という意味でも使われ、人前では使わない「くそ」という単語に由来する下品な動詞だ。「言葉を慎重に選ぶべき一国の大統領にとって、激しい発言」(仏紙フィガロ)と受け止められている。

 一方、右翼「国民連合」のル…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2022年1月6日14時7分 投稿
    【視点】

    マクロンの発言は、純粋に感染拡大への危機感から生まれたものではなく、大統領選を見据えた政治的発言とみられている。しかし、自らの支持層を意識しすぎた過激な発言により、足をすくわれることもある。 その例が、2016年米大統領選で民主党候補

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