沖縄のアイス「ブルーシール」、本土へ続々 コロナ後見据え新戦略

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加藤裕則
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 沖縄で人気のアイス「ブルーシール」が関東や中部、近畿地方で出店を増やしている。コロナ禍で観光客が減る中、販路拡大の狙いもあるが、「沖縄への思い」を胸に収束後も見据えて戦略を練っている。

 名古屋駅前で特産品を扱う飲食店が並んだ地下街に昨年12月16日、ひときわ明るい店舗が開業した。あちこちに掲げられた青やオレンジ色のロゴも目を引く。

ブルーシールのアイス

戦後まもない時期に米軍基地内でつくられ、1963年から沖縄の人に売り始めた。多くは沖縄県内の工場で製造され、「米国生まれ、沖縄育ち」として知られる。高温多湿の気候に配慮して植物性油脂を使い、さっぱりとした食感が特徴。

 「ブルーシール名古屋駅エスカ店」。塩ちんすこう味やサトウキビ味など、沖縄でおなじみのアイス約30種類が並び、午後6時ごろには20人ほどの行列ができた。紅イモ味を注文した20代の男性は「なかなか食べる機会がない」と喜んでいた。

 ブルーシールは沖縄を代表する味覚のひとつとして知られ、観光客にも人気だ。それだけにコロナ禍の影響は大きかった。2020年の沖縄への観光客は前年比63%減の373万人。アイスを製造・販売する「フォーモストブルーシール」(沖縄県浦添市)の20年12月期の売上高は前年比7億円減の18億円。山本隆二社長は「観光客に支えられていたと実感した」。

 新たに販路を拡大する必要に迫られ、本土への出店に力を入れた。19年までは県内中心の出店だったが、コロナ禍の20年以降は県外に17店を出し、24店に増やした。県内の16店を上回る。

 ただ、県外へのむやみな出店…

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