スマートフォンで開いたイラスト付き観光地図の上に自分の位置がリアルタイムで示され、散策しながら周りの名所や店舗の情報も一目で見られる――。観光地などで配られる地図をデジタル化するサービスが広がっている。開発したのは京都のスタートアップ企業で、地域の魅力を発信したい自治体や企業からの引き合いが増えている。
京都府物産協会は昨年11月、自らのウェブサイトでイラスト地図「京都のれん会マップ」を公開した。京都を旅行中にスマホからマップのリンクを開くと、二条城や清水寺などのカラフルなイラストが描かれた観光地図上に、GPS(全地球測位システム)を使って自分の位置が現れる。地図上には周辺の工芸品や和菓子など156店舗を示す「うちわ」マークが並び、押すとお店の簡単な説明や住所、営業時間、ウェブサイトのURLなどが表示される。地図をみるのは無料だ。
旅行客にマップを見ながら買い物などを楽しんでもらうのがねらいで、協会はマップをSNSやチラシで観光客らに周知していく考えだ。伊藤忠弘副会長は「顧客層が高齢化しているお店も多い。若い人が関心を持つきっかけになれば」と期待する。
地図のデジタル化サービスを提供するのは、京都市のスタートアップ企業「Stroly(ストローリー)」。社名は、Stroll(散歩する)とStory(物語)を掛け合わせた。
記事の後半では、Strolyの高橋真知社長のインタビューを収録。観光客の呼び込みに力を入れる地域の課題などについて聞きました。
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