点滴を懇願したウィシュマさん、職員「死なないよ」 収容の監視映像

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大野晴香 山下寛久
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 「担当さん、お願い」

 日本語で懇願した。力の入らない手でバケツを抱え、吐いた。そしてシンハラ語で何度も訴えた。「アネー、アネー」――。

 スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が収容中の施設で病死した問題で、亡くなる直前の様子が映った施設の監視カメラ映像が24日、衆院法務委員会と名古屋地裁で開示された。

 妹のポールニマさん(27)によると、「アネー」は、深くお願いする時の言葉だという。

 ポールニマさんや代理人弁護士の会見での説明から、名古屋で開示された映像の内容をたどる。

 2月23日午後7時ごろ、ウィシュマさんは「担当さん、担当さん」と呼びかけた。

 「うそじゃない。点滴お願いします」。ジェスチャーで示しながら職員に求めた。

 だが職員は「私たちお医者さんじゃないからできない」と答えた。

 トイレに連れて行こうとすると、ウィシュマさんは「あなたたちこうやってするとぶつける」と言った。

 この場面について指宿昭一弁護士は「以前、トイレに連れて行かれる時にぶつけられて痛い思いをしたのでは」と推測する。

 「私死ぬ」とウィシュマさんが言うと、職員は「死なないよ。あなたが死んだら困るもん。死なないで」と言った。

 2月24日午前4時過ぎ、ウィシュマさんは「あー、あー、あー」というあえぎ声を上げた。

 えずき、実際に吐いてもいた。

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