弁護士・明石順平さん
統計の基になる「生データ」を消しゴムで消す。まさか国の重要な統計でそんなことが起きるとは思わなかった。データは政策をつくる上の足腰であり土台のはず。それが崩れれば、議論が成り立たなくなる。
書き換えられたのは、建設業の受注実績を表す国の基幹統計の調査票。2013年から、提出が遅れた建築業者の受注実績の推計値をはじきだし、後から提出された実数と足す二重計上が始まった。安倍政権が進めた経済政策「アベノミクス」が始まった後だ。
その後18年には今回と同じく基幹統計である「毎月勤労統計」の不正が明らかになった。重大な点は、以前より平均賃金を高く算出する方法に切り替えたのに、さかのぼって計算し直さなかったため、18年だけ賃金が急上昇したことだ。これでは統計としての連続性が守られない。
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