62.5センチの青春、「届いた」演奏 耳栓して、みんなで悩んだ
マーチングの基本は1歩62.5センチだ。全員が歩幅をそろえる。11月21日、全日本マーチングコンテストに出場した愛知県立木曽川高校吹奏楽部。どんな言葉で伝えれば、練習がうまくすすむのか。大阪城ホールの会場で、どんな演技をみせたいのか。部員は自分たちで考え、試行錯誤を繰り返して、本番をむかえた。
全日本マーチングコンテストの本番まであと5日。体育館の雰囲気はかつてないほど、ピリピリしていた。
「全然できてない」
「だからそこじゃないって」
1歩62.5センチの歩幅が合わない。立ち位置を間違える部員に3年生の厳しい声が飛んだ。
11月16日の練習後、愛知県立木曽川高校吹奏楽部の湯川珠帆(しほ)副部長(3年)は、こう切り出した。
「3年生は、もう少し伝わる言い方に。1・2年生は、3年生を焦らせないよう、もっと集中を。誰も悪くないのに、今日はすごく雰囲気が悪かった。このまま大会は迎えたくないよね。どうしたらいいか、各自考えましょう」
「伝える」と「伝わる」は違う。相手に伝わる言葉、届く演奏を目指そう。
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