中3刺殺、14歳少年を家裁送致 専門家がみる「解明すべきこと」

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高絢実 山下寛久
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 愛知県弥富市の市立中学校で3年生の男子生徒(14)が刺殺された事件で、名古屋地検は14日、同学年で別のクラスの少年(14)を殺人と銃刀法違反の非行内容で名古屋家裁に送致した。家裁は同日、27日まで2週間の観護措置を決めた。専門家による精神鑑定を実施しておらず、供述の内容などから刑事責任能力を問えると判断したとみられる。

 事件発生から3週間。捜査の焦点は動機の解明だった。調べに対し、少年は周囲への不満や悩みなどが募り、「どうでもよくなった」という趣旨の話をしたり、被害生徒から嫌なことをされたと供述したりしたという。ただ捜査関係者によると、動機の形成過程には不明確な点もあり、家裁の判断が注目される。

家裁の少年審判の手続きでは、少年の更生可能性やその方法が重視されます。事件を起こすに至った少年の心の動きには、3週間の捜査を経ても分からない部分が残ったといいます。解明すべきことは何か、記事後半で専門家2人の見方を紹介します。

 捜査関係者によると、少年は当初、被害生徒から「いじめられていた」と供述。被害生徒が立候補した生徒会役員選で応援演説を頼まれたことや、数人の友人と話している時に被害生徒が割って入ってくることが嫌だったと説明した。

 学校側によると、被害生徒と少年は同じ小学校の出身で、昨年度はクラスも同じ。学校生活をたずねる今年2月のアンケートで、「いじめられたことがある」と回答したが、教員は被害生徒に注意するなどして、学校側は解決したと考えた。4月のクラス替えでは2人を別のクラスにし、その後のアンケートでは少年がいじめの被害を訴えることはなかった。

 県警による生徒や教員からの聞き取りでも、少年が強い不満を募らせた様子などはうかがえなかったという。

修学旅行での出来事

 捜査関係者が注目するのが…

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