現場の声を優先、気づけば借金 東京五輪の狂騒、冷や汗交じりの幹部

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忠鉢信一 金島淑華 野村周平
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 「あそこでブレーキをかけていなければ、東京オリンピック(五輪)が終わった今頃、倒産だった」

 五輪を巡る狂騒を冷や汗交じりに振り返るのは、東京五輪のトラック女子で銀メダルを獲得した日本自転車競技連盟の幹部だ。

 東京五輪の出場権獲得に関わる大会は2018年度から19年度にかけて開かれた。16年に強豪国から招いたコーチから「この予算ではメダルは無理」と言われた。同連盟の黒江祐平常務理事は、「そう言われたら、(強化費を)増やすしかなかった」と言う。

 遠征が増え、一度にトラック、ロード、BMX、マウンテンの代表が海外に出ていた時期もあった。五輪出場権獲得を目的とする遠征は国から全額補助が認められ、対象外の活動費の一部は競輪などを統括する公益財団法人JKAからの補助金を充てていたが、お金の流れを管理する事務局側の人手が足りなくなった。

肝を冷やした団体があった一方で、補助金制度をフル活用し、蓄えを増やした団体も。その競技とは……?

 連盟は現場の要望を優先し…

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