米軍機タンク投棄、地元へ連絡4時間後 民間被害あれば負担は誰が?

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 米軍三沢基地青森県三沢市)所属のF16戦闘機が11月30日、飛行中に緊急事態に陥り二つの燃料タンクを投棄した。米軍は非居住地域に投棄したとしていたが、一つは同県深浦町の役場近くに落ちていたため、地元は「大惨事になりかねない」と反発している。

 岸信夫防衛相は1日、記者団に「住民には大変なご不安とご懸念を生じさせる、あってはならないことだ。大変重く受け止めている」と述べた上で、「米側に対して飛行の安全が確認されるまで、F16戦闘機の飛行を行わないように求める」と述べた。松野博一官房長官も1日の記者会見で「米軍に対しては遺憾の意を伝えた」と説明した。

 同県の三村申吾知事も同日の県議会で「一歩間違えば大変な惨事。非常に厳しく受け止めている」と述べた。

 防衛省によると、燃料タンクは金属製で容量は1400リットル。「増槽(ぞうそう)タンク」と呼ばれ、長距離を飛べるようにするために翼の下に取り付けられている。投棄した二つのうち一つは見つかっていない。米軍機は乗員1人。日本海側から三沢基地へ飛んでいた。エンジントラブルに見舞われた可能性があるとみられている。米軍機は30日午後6時12分ごろ、青森空港青森市)に緊急着陸した。けが人は確認されていない。

 基地は30日、副司令官による「綿密な調査をする」とのコメントを発表。投棄したのは人が住んでいない地域と説明したが、投棄した一つは民家が点在する役場付近で見つかった。

 緊急着陸の影響で青森空港の滑走路は一時閉鎖され7便が欠航。機体は1日未明、米軍関係者が駐機スペースに移し、空港は同日朝から通常の運用を始めた。

2018年にも青森でタンク投棄

 米軍三沢基地のF16戦闘機は2018年にエンジン部分が出火し、燃料タンク二つを小川原湖(青森県東北町)に投棄し、基地に緊急着陸した。

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