緊張高まるウクライナ、米ロの主張平行線たどる 両首脳が電話協議
ウクライナ国境付近にロシア軍が結集して緊張が高まっている問題をめぐり、米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が30日、電話で協議した。両首脳は従来の主張を変えずに互いの行動を警告。1月の協議継続では一致したが、ロシア側は強硬な姿勢を崩さず、対立は解消されないままとなった。
ウクライナ国境付近には10万人規模のロシア軍が展開しているとされ、米国は撤収を要求。これに対し、プーチン氏は北大西洋条約機構(NATO)の拡大停止などを求め、拒まれれば軍事的対応も辞さない考えを示していた。ロシア軍は25日、ウクライナ国境付近を含む地域で1万人以上の部隊を撤収させると発表したが、欧米が問題視する部隊結集との関係は不明だ。
両首脳による12月中の電話協議は2度目。今回はプーチン氏の要請を受けて実現した。米政府によると、協議は約50分間だった。
電話協議後に記者会見をした米政府高官によると、両首脳は互いに従来通りの立場を表明した。バイデン氏は外交を通じて沈静化に向かうことを求める一方、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切れば経済制裁に出ると改めて強調した。
一方、ロシア大統領府の声明によると、プーチン氏はNATOの東方拡大停止などが条約化され、法的に確約される必要があると強調。米国が準備する経済制裁について「重大な過ちであり、ロシアと米国の関係を完全に断絶させる恐れがある」と警告したという。
互いの主張は平行線をたどったが、決裂は回避した。両首脳は1月9~10日にジュネーブで米ロ高官級協議を持つなど、今後も話し合いを続けることで合意したという。
■両国の妥協点が焦点に…
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