【佐賀】県議会定例会が25日、開会した。山口祥義知事は提案事項説明で22日にあった九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)に関する県と国土交通省との「幅広い協議」に言及し、「議論が深まらなかった」と不満を述べた。

 長崎新幹線をめぐっては来年秋に長崎―武雄温泉間が開業予定だが、そこから新鳥栖までの整備については、佐賀県が通常の新幹線と同じフル規格による地元負担の大きさなどから難色を示している。

 22日にあった5回目の幅広い協議で、同省はフル規格で整備する場合、佐賀駅を通るルートのほか、佐賀市北部と佐賀空港を通る2ルートの試算を公表。費用や効果の点から佐賀駅ルートを「最善」とした。

 山口知事は提案事項説明で「九州の発展にどうつながるのか考えを示すよう求めていたが、そのような視点からの説明はなかった」と語った。

 一方、同省の斉藤鉄夫大臣は24日の閣議後の記者会見で「新幹線ネットワークがつながることが地方創生や防災減災などの観点から重要。議論を積み重ねていきたい」と話した。

 県議会では、新型コロナウイルス対策として81億円、8月の大雨の災害対策に44億4千万円などを盛り込んだ総額約129億円の一般会計補正予算案などを県が提案した。会期は12月15日までで一般質問は1日~3日にある。(松岡大将)

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