【21年九州場所11日目】全勝の横綱へ理事長が苦言「いまいち…」

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鈴木健輔
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 横綱照ノ富士が小結逸ノ城を下し、11連勝で単独首位をキープした。大関貴景勝、7場所ぶりに再入幕の阿炎はともに1敗を守った。2敗勢では関脇御嶽海玉鷲、北勝富士が勝ち、宇良は3敗目を喫した。大関正代は関脇明生に勝ち、7勝目。

注目の取組・力士を特集する「東西トーザイ」、八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)奔放だった阿炎 復帰後に見えた二つの違い

 相手は何をしてくるか分からない宇良。5年前に幕下で一度対戦しただけだったが、阿炎はイメージができていた。

 立ち合いでかがんで頭を下げてきた宇良の肩を、両手で食い止めた。下から起こし、低い姿勢で攻め続ける。体が裏返った宇良が、土俵下に転がっていった。

 奔放な言動で3場所の出場停止処分を受けてから、阿炎は変わった。以前の自分を「がむしゃらだった」と分析する。突っ張りや両手突きで攻め、相手を押せなくなると引いていた。「感覚だけ」で戦略がなかったという。

 「一切見ていなかった」という対戦相手の映像を研究するようになった。188センチと長身の自分に対し、宇良が潜り込む立ち合いをしてくることは想定内。「よく見て、よく足を出して、よく手を出してって感じです」と、淡々と振り返った。

 もう一つ、違いがある。

 あと何勝すれば三役に上がれるか、三賞を取れるかと星勘定をするタイプだったが、やめた。7場所ぶりの幕内で1敗を守ったこの日言った。「勝ち負けを気にせず、思い切り相撲を取ること。番数は意識していない。一番に対する集中力が以前と違う」

 好成績を買われ、今後は上位との対戦が組まれそうだ。12日目は西前頭6枚目、玉鷲と対戦する。久しぶりに幕内後半の土俵に立つが、「関係ない」。玉鷲の映像を見ると宣言し、会場を後にした。(鈴木健輔)

○十両・朝乃若(8勝3敗) 新十両で勝ち越し。場所前に想像できたかと聞かれ「していないです。初日も負けちゃって、あ、もうダメかなと思ったんで」。宿舎を出る前、兄弟子の朝乃山から「いつも通り気負わず。いってらっしゃい」と言葉をかけられたといい、「少しは恩返しできたかな」。朝乃山から最近すすめられているミカンは「来る前に4個食べてきました。帰ったらまた食べます。今日はたくさん食べます!」。

(支度部屋から)朝乃山オススメの一品で、朝乃若が勝ち越し

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