日本高野連新会長に宝氏、部員増へ「男女とも野球を大いに楽しんで」

山口裕起
[PR]

 高校野球界の新たなリーダーが決まった。10日、日本高校野球連盟は次期会長に京大教授で京大野球部元監督の宝馨氏(64)を選んだ。自らも選手として野球に打ち込み、指導経験も持つ新会長は、どんな将来像を描くのか。八田英二会長(72)と並んだ会見で次々と抱負を述べた。

 近年、日本高野連が対策を進める部員の健康管理や負担軽減策について言及した。特に、降雨ノーゲームが2度あった今夏の第103回全国選手権大会を引き合いに、試合が中断した時点から翌日などに再開する「継続試合」の導入に積極的な姿勢をみせた。「雨で流れた試合の球数も投球数制限に含まれる。本塁打も幻になってしまう。そういうことにならないよう、継続試合というのは重要ではないかと思う」

 高校野球も新型コロナウイルスの影響を強く受け、昨年の春夏の甲子園は中止となり、今年の第103回大会は入場を学校関係者に限った。「まだまだ予断は許さないが、なるべくたくさんの観客に甲子園で全国大会を楽しんでいただけるようにしたい」と語った。

 競技人口の減少も懸念する。この夏、全国高校女子硬式選手権決勝が甲子園で行われたことに触れ、「女子が野球に携わり、実際にプレーして、楽しんでもらうことは大変重要なこと。男女問わず、野球を大いに楽しんでほしい」とした。

 「女子にどのように高校野球に入ってもらうのかなど、少子化のなか、なんとか高校野球を維持、発展させていただきたい」。八田会長からもそうバトンを託された。

 日本高野連の事務局はこの日、「学生野球への情熱を持っていること」が選考過程で重視されたと明かした。現役時代を含め40年以上、学生野球に携わってきた宝氏は言った。「会長に選任され、たいへんうれしい。高校野球の発展に微力ながら尽くしていきたい」(山口裕起)

     ◇

 たから・かおる 1957年生まれ。滋賀県出身。京大大学院総合生存学館(思修館)教授。専門は水文(すいもん)学、防災技術政策など。兵庫・西宮北高から京大工学部に進んだ。2度目の監督を務めていた2014年秋、ロッテにドラフト2位指名された田中英祐投手を京大初のプロ野球選手として送り出した。10~13年に関西学生野球連盟副会長。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    稲崎航一
    (朝日新聞大阪スポーツ部長)
    2021年11月11日14時34分 投稿
    【解説】

    継続試合とは? 日本高野連の新会長に決まった宝氏は、雨などで試合が中断した時点から翌日などに再開する「継続試合」の導入に積極的な姿勢をみせました。 いわゆる「サスペンデッドゲーム」と同様の意味ですが、野球規則によるサスペンデッドは、

    …続きを読む