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海底火山の島、消えちゃいそう 福徳岡ノ場、火砕流の痕を空撮で確認

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黒沢大陸
【動画】新島「福徳岡ノ場」火砕流が発生か でもやっぱり消えちゃいそう=平野真大、恵原弘太郎撮影
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 8月からの噴火で35年ぶりに新島ができた小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で、火砕流に特徴的な痕跡があるのを、本社機「あすか」から観察した専門家が見つけた。火砕流の堆積(たいせき)物は比較的硬く、島が波に削られるのを防ぐ効果があるようだ。それでも、軽石や火山灰などでできた島は軟らかく、この1カ月で面積は3分の1に縮んだ。専門家も長く残るのは難しいとみている。

 本社機は15日、東京湾から南へ約1300キロの小笠原諸島にある福徳岡ノ場の上空を飛んだ。

 海上保安庁の観測では、8月13日からの噴火で、馬のひづめのような新島ができたが、9月中旬には東側が海没し、西側も今月半ばまでに3分の1になった。

 本社機から見ると、残った西側の島にある台地状の堆積物の断崖は、観察している間にも何度も崩落し、そのたびに海上から白い湯気が上がった。同乗した防災科学技術研究所の中田節也・火山研究推進センター長によると、堆積物がまだ高温で、崩れた先の海水を蒸発させているとみられる。

 福徳岡ノ場は、日本に111ある活火山の一つ。海保によると、1904年と14年、86年にも新島ができたが、いずれも短期間で海没した。近年では、2005年や2010年の噴火でも海水の変色や浮遊物が確認されている。

 今回は8月13日に噴煙が気象衛星から観測され、15日までに高さ1万6千メートルに達した。周辺の海には火山から噴出したとみられる軽石が大量に浮かび、海保によると、長さは約100キロ、幅約13キロに達した。

専門家が語る「島が残る可能性」

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