ゴーン元会長「逃走、後悔していない」 映画化めぐりインタビュー

有料記事主役なきゴーン法廷

村上友里 福田直之 聞き手・村上友里
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 会社法違反(特別背任)などの罪に問われ保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(67)が12日、オンラインでインタビューに応じた。自身が出演するドキュメンタリー映画「カルロス・ゴーン 最後のフライト」(U―NEXTで配信中)をめぐる取材で自分は無罪だと改めて訴えた。

 ゴーン元会長は国際手配されているがレバノンに逃亡したままで身柄引き渡しの見通しは立っていない。

 映画ではルノーに日産の支配権を握らせたいフランス側と、反対する日産側との対立があったと示唆されている。ゴーン元会長はルノーと日産の関係について「仏当局は合併を望んだが経営の観点から反対した」と述べた。合併ではなく持ち株会社のもとでの経営統合を検討していたという。ルノーと日産に加え、欧米自動車大手のフィアットクライスラー・オートモービルズの参加も探っていたことを明かした。

 持ち株会社による経営統合では、日産の本社や取締役会は日本に残り、運営の自立性は保たれることになっていたとゴーン元会長は説明する。だが、実現することはなかった。

 公判中の元側近や逃亡を助けた受刑者に関しては、日本の司法制度の問題を主張。懲役2年の求刑を受けた元代表取締役のグレッグ・ケリー被告(65)について、「無実だ。一刻も早く自由の身になるべきだ」と述べた。ケリー元役員が逮捕されてから約3年たっても裁判が終わっていないことも批判した。

 逃亡を助けたとして今年7月に実刑判決が確定した米軍特殊部隊「グリーンベレー」元隊員マイケル・テイラー受刑者(60)と息子ピーター受刑者(28)については「日本の人質司法の犠牲になったことを申し訳なく思う」と話した。

 ゴーン元会長は逃亡理由について、日本の刑事裁判の有罪率が99%であることや、迅速な審理が見込めず家族との連絡を制限されたことなどをあげ、「人質司法から逃げたことは後悔していない」とした。(村上友里、福田直之)

「日本で裁判を待ちながら死んだかもしれない」

 日産自動車のカルロス・ゴーン元会長との主なやりとりは次の通り。

 ――無実の主張を続けていま…

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