広がる「リカレント教育」 デジタル改革で社会人も学び直し

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玉置太郎
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 「リカレント教育」という言葉を知っていますか? 「Recurrent」は英語で「回帰」や「循環」。社会人がキャリアに生かすため、大学などで学び直すことを指します。デジタル化によって求められる技能が変化する今、働きつつ学ぶことは欠かせません。リカレント教育の現状を取材しました。(玉置太郎)

若手社員「AI技術、今後は必要」

 9月の土曜午後、若者であふれる大阪・梅田の繁華街。一角にある大阪工業大梅田キャンパス(大阪市北区)のビルで、20人の男女がパソコンに向かう。社会人を対象にした「AIデータサイエンス・リカレント教育」の講義が開かれていた。

 世の中の様々なデータを集め、AI(人工知能)を使って分析し、課題の解決に生かす先端的な学問だ。難解な統計学的理論の講義から、SNS上の投稿を分析して製品開発に生かすマーケティング実習まで、毎週土曜に8カ月かけて学ぶ。

 受講者は20~50代。製造業やサービス業、広告業などの、若手社員から管理職、中小企業経営者まで幅広い。

 大阪府枚方市の卒業アルバム製作会社「ダイコロ」に勤める玉置朋哉さん(33)も、5月から通っている。アルバムに使う大量の写真をAIに画像解析させ、良い写真の共通点を見つけることで、デザインに生かせないか――、というのが受講の動機だ。

 芸大卒でデザイン担当として10年勤めているが、ITに通じているわけではない。「正直、講義についていくのに必死ですが、個人としても業界としてもマンネリでは先がない。新しい学びは必要です」。他業種の受講者と交流できることも刺激になるという。

講座の学びを、受講生はどう生かしているのでしょうか。また、国の制度はどうなっているのでしょうか。後半で紹介します。

 実際に、講座で学んだマーケ…

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