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プロ野球も観客制限緩和へ実証実験 「日本シリーズまでにしっかり」

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 緊急事態宣言解除の方針を受け、プロ野球では政府が示す見込みの観客制限の緩和に沿って各球団が準備する。

 ワクチン接種とPCR検査陰性証明による実証実験については、今季中に実施する方針で準備を進めている。日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は27日、西村康稔経済再生相との協議後、報道陣に「クライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズまでに、しっかりとした計画が立てられれば」と語った。

 関係者らによると、雨で中止となり終盤戦に日程が追加された試合を含め、ポストシーズンゲームなどチケット未発売の試合での実施を想定。観客上限に従い通常販売するチケットとともに、実証実験用のチケットを「プラスアルファ」で販売することを検討している模様だ。それぞれに観客席ゾーンを区分けし、データ収集を行う方針とみられる。

ワクチン接種や陰性証明の確認、現場の負担に

 現在、プロ野球ではチケット購入済み分については観戦が認められている。年間シートなど緊急事態宣言前に発売されたチケットがあり、球団によっては現状でも1万人以上の観客が入っている。すでに座席が決まっており、チケット販売済みの試合で実証実験を行うのは難しいという。

 ソフトバンクの取り組みも参考にしている。「緊急事態宣言期間中は無観客」としていたソフトバンクは、9月から本拠地開催の試合について「ワクチン接種2回を完了」か「1週間以内のPCR検査で陰性」を観戦条件としてチケットを発売。これまで観客数は各試合2千~3千人程度で、最も多かったのは26日の日本ハム戦で3811人(上限5千人)。関係者によると、この観客数でも、試合当日に窓口で1人ずつ接種証明や陰性証明を確認して入場券と引き換える作業は、相当な労力がかかっているという。

 NPBでは、緊急事態宣言が解除されて1万人の観客を想定した場合、手作業で全員の証明書を確認するのは時間的に難しいとみている。スムーズな入場のためには、スマートフォンのアプリやQRコードを活用したデジタル認証が必要になるが、現段階で国内では環境整備されていない。このため、今シーズン中に実証実験を行うにしても、一部観客に限定せざるをえない見込みだ。