昨年9月中旬、小山けんいちさんは地元・千葉県のコンビニにいた。

 朝食用のサンドイッチとコーヒーを手に取り、レジ待ちの列に並んでいた時のこと。

 前の前に並んでいた女性2人の番になったところで、流れが止まってしまった。

 1人が小さい財布から1枚ずつ小銭を出して、もう1人は「100円玉だよ、わかる?」と話しかけていた。

 福祉サービスを提供する会社を経営している小山さんは気づいた。

 小銭を出している女性には障害があり、隣の女性がヘルパーであることに。

 代わりに支払ってしまえば早く済むが、それでは自立支援にならない。

 それでも後ろがつかえていたからか、ヘルパーは焦っているようだった。

 もう一方のレジを開けてくれたら、待っている人たちのイライラも解消されるかな。

 そんなことを思っていたら、列の後ろから50代ぐらいの男性がスッと前に出てきた。

 こわもてで体格の良い男性は「ねぇ、ねぇ!」と店員に話しかけた。

 絶対にクレームだ、嫌な流れにダメ押しするやつだ、とドキドキしてきた。

 すると男性は、意外なアドバイスを口にした。

 「ねぇ、ねえ! あのさ、トレ…

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