中国政府が主導して選挙制度が改変された香港で19日、政府トップの行政長官や立法会(議会)議員を選ぶ権限がある選挙委員会委員(1500人)の選挙の投票があり、開票作業が始まった。「愛国者」しか立候補が許されず、4年前の前回選挙時には約3割の枠を得た民主派が完全に排除され、当選者はほぼ親中派一色となる見通し。

 選挙があるのは、1500のうち364枠。各業界団体内で投票権をもつ4889人が投票し、午後6時(日本時間午後7時)に締め切られて開票作業が始まった。投票所は6カ所だけだが、当局は警官5千~6千人を投入して厳重な警備体制を敷いた。1100枠余りはすでに親中派組織の代表らに自動的に振り分けられるなどして決まっている。

 今回は「愛国者が香港を統治する」との中国政府の方針をうけ、民主派を実質的に排除する新しい制度で行われた初めての選挙だ。新たにつくられた候補者の資格審査委員会が、反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)の規定のもと事前審査で民主派の立候補2人を失格にするなど、政府に忠誠を誓う「愛国者」だけで選挙が行われた。

 そのため、香港メディアによると中間派の数人が当選する可能性があるが、残りのすべての委員は親中派となる模様だ。ほぼ親中派一色になることで、12月の立法会選、来年3月の行政長官選で、政府に批判的な民主派が選ばれる余地はなくなる。

 香港メディアによると、201…

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