ワクチン3回目接種、厚労省が容認 早ければ医療従事者で12月にも

下司佳代子
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 厚生労働省は17日、「ブースター接種」と呼ばれる新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を認めることを決めた。2回目までと同じワクチンを使うことが基本で、2回目から8カ月以上あける方向。対象者は今後検討する。2月に先行接種が始まった医療従事者には、早ければ12月中にも接種が始まる見通しだ。

 他国の状況、今後出現しうる変異株への懸念などを考慮し、専門家の分科会で了承された。この日は、血中に含まれる抗体量(抗体価)が半年でピーク時の4分の1に低下する場合があるとの研究結果が報告された。ブースター接種すれば抗体価が増えるほか、先行するイスラエルでは高齢者に接種後、12日目以降から、2回接種者に比べて感染・重症化予防効果が10倍以上にのぼったとの研究結果も示された。

 副反応は、ファイザー製とアストラゼネカ製では2回目までと頻度が同程度か低く、モデルナ製は「容認できる」レベルとされた。

 ブースター接種が進む国の状況も報告された。イスラエルは8月、60歳以上の高齢者から3回目接種を開始。いまは12歳以上に拡大している。フランスドイツも高齢者ら高リスクの人に3回目接種を始め、近く開始予定の米国は2回目接種からの間隔を8カ月後としている。こうした例を参考に、日本でも2回目接種からおおむね8カ月以上あけることをめやすとした。科学的知見が集まれば再検討するという。

 出席した専門家からは、2回接種済みの医療従事者の感染が相次いでおり、医療従事者へのブースター接種を急ぐべきだという意見や、接種を担う自治体の準備があり、実施時期は柔軟に対応できるようにしてほしいなどの声が出た。

 一方、2回接種後に時間が経つと、抗体価は減っても、重症化を予防する効果は残るとの見方もある。世界保健機関(WHO)は、1回目の接種も終わっていない低所得国での接種を優先させ、高所得国には年内のブースター接種を見合わせ余剰ワクチンの供出を要請。これに留意し、実施は年明けにすべきだという意見も出た。

 1回目の接種で重い副反応が出た場合、2回目には別の種類を打つことを認めることも決めた。(下司佳代子)

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