劇団四季「ライオンキング」の子役2人、学びと夢見つけた初舞台

聞き手・小原智恵

 14年ぶりに名古屋で上演されている劇団四季のミュージカル「ライオンキング」では、東海地方からオーディションで選ばれた子役が活躍している。新型コロナウイルスの影響で昨年3月の開演直後に一時休演しながらも、ロングラン上演中だ。

 主人公の子ども時代であるヤングシンバ役の奥田航史郎さん=岐阜市=と、幼なじみのヤングナラ役の石川華さん=愛知県岡崎市=は、共に現在小学6年生。2019年の1回目のオーディションに合格した。

 舞台初挑戦となる奥田さんは、ディズニーアニメの「ライオンキング」が好きで何度もみていた。劇団四季の舞台版があると知り、「どうやって人間がやるんだろう」と思ったという。

劇団四季「ライオンキング」は名古屋四季劇場で来年5月15日まで上演。記事後半では奥山さん、石川さんの舞台で頑張ってきたこと、学んだことを一問一答でお届けします。

 ダンス経験がある石川さんは「東京で劇団四季のライオンキングを見てすぐにヤングナラになりたいと思った」。タイミングよく名古屋で始まったオーディションを受けたという。

 昨年3月の開演から舞台に立った石川さんは「ヤングナラに入り込んでいた」という。しかし、コロナの影響で数回で休演になってしまった。舞台は昨年7月に再開した。「再開後は泣いている人もいて、やっていてよかったなと感じた」と振り返る。

 再開後の昨年7月が舞台デビューだった奥田さんは、「初めてで、緊張より心配が大きかった」という。気持ちを整え、そこまで緊張せずに初舞台を踏んだ。

 再開後、2人は週に1、2回出演してきた。「大人の俳優さんたちが同じ演出であっても毎回しっかりと台本を読み、ミスがないところにあこがれる」と、舞台を通してたくさんの学びがあるという。

 石川さんは劇団四季の俳優、奥田さんは音楽関係の仕事をしたいと将来の夢も見つけた。

 石川さんは「ヤングナラは物語が進んでいくなかで成長していく。『弔い』というシーンに注目してほしい」。奥田さんは「僕たちが成長していくと、毎回の舞台に変化があって楽しいと思うので、そういうところも見てほしい」と話す。

 名古屋四季劇場(名古屋市中村区名駅南2丁目)で平日1公演、土日祝は2公演の日もある。12月までのチケットを販売している。スケジュールやチケットの詳細、出演者の予定などは劇団四季ウェブサイト(https://www.shiki.jp/別ウインドウで開きます)へ。ライオンキングは、来年5月15日まで。

奥田さん、石川さん 舞台に挑戦した理由は

 劇団四季ミュージカル「ライオンキング」に出演しているヤングシンバ役の奥田航史郎さん=岐阜市=とヤングナラ役の石川華さん=愛知県岡崎市=の小学6年生2人に、舞台に挑戦した理由、約1年演じてきた感想や将来の夢について聞きました。

――舞台は初めての挑戦ですか

石川 ダンスやバレエはやってきましたが、ミュージカルは初めてです。

奥田 ダンスも歌も舞台も初めての挑戦です。

――今回「ライオンキング」のオーディションに挑戦しようと思った理由は

石川 2019年にあったオーディションの1年前の夏休みに、東京へライオンキングを見に行きました。そこで圧倒され、帰りにお母さんに「ヤングナラになりたい」と言いました。ちょうど1年後の夏休みにお母さんの友達から「今度、名古屋でライオンキングが始まるらしい。子役のオーディションがあるらしいよ」と連絡をもらい、お母さんにお願いして受けました。

奥田 たまたまそのとき、テレビでディズニーの方のライオンキングをやっていて、それがとても好きでした。何回も繰り返し見ていたときに、もともと劇団四季が好きなお母さんから「私は劇団四季の方がいいかな」と言われました。「どうやってライオンを人間がやるんだろう」と疑問に思って聞いてみたら「子どもがやるところもあるよ」と教えてくれました。そして、たまたまオーディションをやっていたので、受けることにしました。

――初めて「ライオンキング」の舞台に立ったときの感想は

石川 3月に始まり、初日の舞台に立ったときは緊張しましたが、やっているうちにヤングナラに入り込んでいきました。カーテンコールのときに、3月はコロナが心配で来られなかった方も多いなか、たくさん拍手をしてくれましたし、7月からの再開後は、泣いている人もいて、やっていてよかったなと感じました。すごくうれしかった。

奥田 7月の再開後に舞台デビューしました。舞台経験がなく、初めてだったので、緊張より心配の方が大きかった。前日の夜に結構考えちゃって……。でも、気持ちを整えることができたので、緊張はそこまでしなかった。

 ――これまで約1年半舞台に上がってきた。どういうところを頑張ってきたか。好きなシーンは

石川 ヤングナラはヤングシンバより年上なので、お姉さんという感じで、勇敢で力強いヤングナラを演じたいなと思っています。自分の性格に似ていて、学校生活でも、高いところから降りられなくなった女の子をキャッチしたことはあります。

 好きなシーンは「サークルオブライフ」です。

奥田 元から早口なのでお客さんに聞いてもらいやすいように、意識するようにしています。また、読書が好きなタイプなので、活発なヤングシンバとは正反対ですが、体力をつけて舞台ではしっかり役になりきれるよう頑張っています。

 「星のしずく」のシーンが好きです。

 ――大人の俳優さんたちから学んだことは

石川 自分が出演する前に、毎回しっかりと台本を見ています。同じ演出の舞台であっても毎回そういうことをするのは勉強になっています。

奥田 大人の方も努力していると思うんですが、毎回同じ動きや演出でも、ミスをしないことがすごい思います。気分が落ちているときでも舞台上ではちゃんとやりきる。それを毎回できるというところがあこがれです。

 ――将来の夢を教えてください

石川 将来はこの劇団四季の舞台に立てるように頑張りたいです。ライオンキングだとラフィキ、シェンジ、大人のナラ、ハイエナダンスの時に骨の階段の一番上にのっているハイエナをやりたいなって思います。

奥田 僕は音楽が好きなので、音楽関係の仕事につきたいなと思っています。今回も歌っているときがすごく好きです。ミュージカルはぴったりで、俳優さんと一緒に踊れるし、歌えるし、いい経験をさせてもらっています。

 「ライオンキング」の見どころを教えてください。

石川 物語が進んでいくにつれて、ヤングナラは色々なことを経験して成長していくと思うので、そこから大人のナラにつながるように工夫してがんばっています。特に「弔い」という場面で一つ成長するので注目してほしいなと思います。

奥田 一つのセリフや動きの中に、表現していたいことがたくさんあって、俳優さんたちは細かく演じているところを見てほしいなと思います。

 また、自分たちが成長していった方が舞台上でも変化があって楽しいと思うので、そういうところも注目してほしいです。(聞き手・小原智恵