品格の宿る舞台姿で要所を締めてきた宝塚歌劇団・星組の愛月(あいづき)ひかるが、12月に退団する。
退団へ、すがすがしい気持ち
「すがすがしい気持ちで毎日お稽古しています。この2作品がラストの公演でよかった」。白いスーツに身を包み、晴れやかな表情で、9月18日開幕の退団公演への思いを語る。
2007年入団の93期生。10年目で挑戦した「エリザベート」のルキーニなど色濃い悪役で存在感を放ち、「不滅の棘(とげ)」や「マノン」で主演した。
「悪役やラスボスみたいな役は、いま宝塚で一番得意なんじゃないかなと正直思っています」。山田風太郎原作の「柳生忍法帖」(脚本・演出は大野拓史)では、滅んでしまった一族の復権に執着する芦名銅伯(どうはく)を演じる。「美しく、妖艶(ようえん)で、怖い」というイメージで役を深めている。
さらに、後半のロマンチックレビュー「モアー・ダンディズム!」は「男役として突き詰めてきた品格のすべてが詰まっている」と自信たっぷり。名鑑「宝塚おとめ」の演じてみたい役に、「うたかたの恋」のルドルフと書いていた。それを演出家の岡田敬二が目にして、白い軍服の見せ場も作ってくれた。
記事後半では、退団への思いを語ります。はまり役だった「ロミオとジュリエット」の「死」への手応えは?
ふだんはあまり下級生に厳し…
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