JR高松駅から高知方面に向かう場合、日中は直通の特急列車がないため、快速列車に乗って、香川県内の宇多津、丸亀、多度津の3駅のいずれかで特急に乗り換える必要がある。しかし、高松駅の自動券売機では、その3駅からの自由席特急券を購入できず、高松駅から乗車する場合の券のみを販売。利用者にとっては割高になる場合もある。

 高松駅からの自由席特急料金は、始発の特急「しまんと」に乗れば高知まで2200円だが、快速「サンポート南風リレー号」に乗り、3駅のいずれかで特急「南風」に乗り換えれば、340円安い1860円。同様に、高知県の大杉、須崎両駅までも高松駅から直通より、乗り換えのほうが安くなる。徳島県の阿波池田駅までは直通と宇多津駅での乗り換えは同額だが、丸亀、多度津両駅で乗り換えれば半額以下で済む。

 ところが、高松駅の券売機では、直通する場合の自由席特急券のみを販売している。高松駅から高知方面に乗り換えなしで行ける特急「しまんと」は朝夕の1日5本なのに対し、岡山駅が始発で高松からは乗り継ぎが必要な特急「南風」は日中を中心に11本ある。

 しかし、券売機の画面には直通する「しまんと」の場合の特急料金しか表示されず、「南風」は別料金であることも表示されない。一方で、高知方面から高松に向かう際は最初から特急に乗車するため、各駅の券売機では、香川県内の3駅で乗り継ぎか、特急で直通するかを選択できるという。

 JR四国業務課の担当者は取材に対し、「この券売機を導入して10年以上になるが、乗客から特急料金を払いすぎたという苦情は聞いたことがない。券売機の表示やシステムを変えるには多額の経費がかかるので、変更は考えていない」と説明。その上で「(高松からの)乗り継ぎの場合、乗車券のみで快速に乗車し、特急の車内か下車駅で(特急料金を)精算している乗客が多いのではないか」と推測する。

 ただ、運賃表には「自由席特急料金は直通列車利用の場合」として、「列車を乗り継ぐ場合は料金が異なることがあるので、特急券は窓口でお求めください」と注意書きがある。

 JR四国は取材を受け、券売機のすぐ上に「高知方面のご利用で南風号にご乗車のお客様へ」として、3駅で乗り換える場合は、みどりの窓口か指定席券売機で特急券を買うように求める表示を新たにつけた。(福家司)

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