最近発売されるテレビのリモコンに、ネット動画配信サービスのロゴを施したボタンがずらりと並ぶようになりました。このボタンを押すと、配信の画面がポン。背景を取材すると、テレビ離れに危機感を強めた家電メーカーの変化や、競争が激しい動画配信業界の事情が浮かび上がってきました。
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ネットフリックス先行、「一等地」を獲得
国内の主要メーカーが今年発売したテレビのリモコンには、昔ながらの選局ボタンなどのほかに、動画配信サービスのロゴもつけたボタンが、多いもので七つついている。ネット接続機能を持つ機種を中心に、昨年より一気に数が増えた。
先行したのは、動画配信の世界最大手で2015年に日本でサービスを始めた米ネットフリックスだ。同年2月発売の東芝「レグザ」のリモコンに、日本で初めてネットフリックスの専用ボタンが搭載された。
「(当初は)メーカーからは『そんな一等地はあげられない』と言われ、一筋縄ではいきませんでしたね」。ネットフリックス日本法人のビジネス・デベロップメント部門ディレクター、下井昌人さんは8月半ばの記者会見で、こう振り返った。
「一等地」とは、リモコンの上部など目につきやすい位置のこと。ここにワンタッチでネットフリックスの画面に飛ぶボタンをつけてもらおうと、下井さんらは奔走した。
従来のリモコンでも、外付け機器などでテレビがネットに接続されていれば、いくつかのボタン操作を経て配信の視聴画面にたどり着くことはできる。だが、放送のチャンネルのようにボタン一つでできれば、不慣れな人にも便利で、会員を増やしやすくなる。
ボタン搭載で先行したのは北…
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