「災害級の危機」京大病院など13機関が真っ赤な警告

高井里佳子
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 京都府内で新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる13の医療機関は23日、医療の危機的状況を訴える緊急メッセージを、京都大学医学部付属病院(京都市左京区)などのホームページに掲載した。府内で新規感染者数が減らない場合「適切な医療を受けられない自宅療養者のうち死亡する事案が府でも発生しかねない」として、外出を控えるよう呼びかけている。

 府内は新規感染者数が500人を超える日もあるなど、「第5波」で感染が急速に拡大している。メッセージでは、コロナ重症者の治療で集中治療室(ICU)の病床を使用するため、治療後にICUでの管理が必要な高難度の手術や治療で、緊急性の高いものを除いて停止を余儀なくされつつあるとした。ICUが全てコロナ患者で占められている病院も少なくないという。

 すでに、救急患者を受け入れられない状況も多発し、脳卒中がん治療などで制限を受けているとも指摘。かかりつけ患者が急変した場合に入院できない事態も起きているとし、医療現場は「災害レベルに達している」と訴えた。

 府内は22日時点で、確保病床の使用率は72・7%、重症者用病床は68・3%。政府の分科会が定める最も深刻な「ステージ4」の水準の50%を上回っている。

 「デパートやスーパーでの買い物のような日常の外出後にも発症がみられるようになっている」として、不要不急の外出を控えるよう求めた。

 13医療機関と府医師会は17日にも緊急メッセージを出した。京大医学部付属病院の宮本享・病院長は、「17日以降の1週間で、重症病床の使用率のさらなる上昇が起き、軽症者が悪化した際に使用する中等症病床も非常にひっ迫しているため、より強いメッセージを出した」と説明している。(高井里佳子)

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