重症者が過去最多、進む医療不全「1ミリの余裕もない」

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野口憲太 川野由起
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 新型コロナウイルス感染症の国内の重症者が過去最多を更新した。東京周辺ではすでに入院への対応が限界に近いが、感染拡大の波は高まるばかりだ。医療の機能不全が刻々と進行している。

 11日夜、千葉県浦安市の東京ベイ・浦安市川医療センターは、50代のコロナ患者の受け入れを要請された。翌日なら病床が使える見込みで、別の満床の病院で入院せずに酸素を投与してその晩を乗り切ってもらった。翌朝に搬送された時には、すぐに気管挿管が必要なほど危ない状態だった。

 別の日には、病床不足から救急車の中で気管挿管する場面があった。織田錬太郎・感染症内科部長は「一日一日が綱渡り。同じようなことが、いろんな所で起きているはずだ。いつ救急車内で亡くなる人が出てもおかしくない」と話す。

 千葉県の確保病床使用率は12日時点で67%、重症用は54%。だが、織田さんは「医療の側は、もう1ミリの余裕もない」と強調する。中等症で入院した後、重症化する人がいるため、重症病床を全て使ってしまうわけにはいかない。回復して重症病床から出られるタイミングも正確にはわからない。

 千葉県の熊谷俊人知事は12日、「実質的には満床が近づいている」とし、「病床の逼迫(ひっぱく)が進むと死亡者が急増する恐れがある」と訴えた。

 埼玉県でも今のペースが続けば、当初確保していた重症病床165床が19日にも満床になる可能性があるという。中等症用を転用するなどして重症病床を211床に増やす方針だ。

 神奈川県も4日、重症用の確保病床数を、それまでより40床多い計199床まで3週間以内に増やすよう医療機関に要請した。確保病床数に関する協定の上限に当たる。

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