公立博物館でゲーセン展、eスポーツの源流を体感

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野波健祐
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 ビデオゲームを競技として楽しむeスポーツが普及するなか、その源流としてゲームセンターが注目されている。29日まで名古屋市博物館で開かれている「ゲーセンミュージアム」展には街のゲーセンを彩ったアーケード(業務用)ゲームが数多く展示され、eスポーツに通じる魅力の系譜をたどることができる。

 ゲーセン展は大きく3エリアに分かれている。入り口近くには、昭和期のデパートの屋上などにあったピンボールやエレメカ(電気と機械仕掛けの遊具)が並ぶ。次のエリアは1978年の「スペースインベーダー」でおなじみのテーブル型の機械がずらり。「ゼビウス」「テトリス」といったゲーム史に残る名作が並び、80年代のゲーセンがよみがえったかのようだ。約70台の展示機のほとんどは実際に遊べ、順番を待つ人が遠巻きにプレー画面を見つめていた。

 公立の博物館でゲーム関係の展覧会が開かれるのは珍しい。「博物館で開くからには、ゲームの技術面や芸術面ではなく、時代の空気を伝える展示にしたかった。ゲームがある遊び場の雰囲気を世代を超えて感じてもらえれば」と担当学芸員の武藤真さんは話す。

 当時のゲーセンは、うつむきぎみに画面を見つめるプレースタイルや薄暗い照明などから「不健全な」場所とみられることも多かった。一方、83年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)が発売されていたとはいえ、機械性能に勝る業務用ゲームは最新の遊びの実験場だった。ゲーセンに集うマニアが増えていくなか、家庭用機では味わえない「競う」楽しみも生まれた。ゲーム終了時に表示される「ハイスコア」だ。

ストⅡ、ビートマニア…記事後半でもゲーム史に残る名作が登場します。

 当時のゲーム専門誌は全国の…

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