4件不起訴の弘道会ナンバー3 逮捕重ねた警察の狙い

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 指定暴力団山口組弘道会でナンバー3の立場の組長が、昨春以降、4回愛知県警に逮捕され、いずれも不起訴処分となった。資金源とみられている風俗店の営業実態や資金の流れがつかめたとして、手応えを口にする捜査関係者がいる一方で、「捜査の手の内をさらした」と懸念の声も上がる。県警は今後も店舗への行政処分なども含め、資金源を断つ対策を進める方針。

 弘道会は名古屋の歓楽街「錦三」地区の風俗店などから収益を上げているとされる。

 県警は昨年3月、弘道会傘下組織の松山猛善組長(66)を風営適正化法違反(無許可営業)容疑で2度逮捕し、同4月には県暴力団排除条例違反容疑でも再逮捕。今年6月には錦三のセクシーキャバクラから、収益の一部約26万円を受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕した。

 6月の事件のセクシーキャバクラは客席をカーテンで狭く区切っており、風営法はこの構造での接待を認めていない。県警は昨年3~4月の事件の捜査でこうした営業実態をつかみ、利用客の供述を集めるなど、1年以上捜査を続けた。「営業許可のない風俗店から暴力団に収益が流れた」という構図で、組織犯罪処罰法を適用。松山組長の組織は、弘道会の中でも資金力が大きいとされ、資金源解明のため弘道会本部や山口組総本部も家宅捜索した。

 ただ、名古屋地検は4事件とも不起訴処分にしている。犯罪収益の授受をめぐる立証が難しいなどと判断したとみられる。

 一方、松山組長とつながりが…

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