米で400人超集団感染、7割がワクチン接種後

ワシントン=大島隆
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 米疾病対策センター(CDC)は、マサチューセッツ州で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、感染者の7割がワクチンを接種済みだったとの調査報告書を2日までに公表した。CDCは、インドで見つかった変異株(デルタ株)の感染力の強さを示しているとして、マスク着用など注意を呼びかけた。

 CDCによると、同州バーンスタブル郡の町で7月、大規模なイベントに参加した人たちなどを通じて400人以上が感染。このうちの74%がワクチン接種を完了していた。死者はいないという。メーカー別の内訳はファイザー社製が46%、モデルナ社製が38%、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製が16%だった。同州全体でのワクチン接種完了者の内訳はそれぞれ56%、38%、7%という。

 CDCは集団感染が起きた町を公表していないが、複数の米メディアは同州プロビンスタウンで起きたと報じている。

 CDCのワレンスキー所長は調査報告書の公表に合わせて声明を出し「デルタ株はほかの変異株と異なり、感染すると、ワクチンを接種していても他者に感染を広げる恐れがある」と指摘。この調査結果が、ワクチン接種済みでもマスク着用を呼びかける指針の根拠の一つになったことを明らかにした。

 この報告書とは別に、ワシントン・ポストなど複数の米メディアは、デルタ株は水痘(水ぼうそう)と同じ程度の感染力があるとCDCが分析した内部文書を報じた。

 米メディアが入手して公表したCDCの文書は、デルタ株の感染力は水痘並みに強いと指摘。デルタ株の米国内での広がりを受け、CDCが今後取るべき方針の一つとして「戦況が変わったことを認める」とある。ホワイトハウスによると、米国内の新型コロナウイルスに占めるデルタ株の割合は、2カ月前には1%だったが現在は80%以上だという。(ワシントン=大島隆

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