ユニコーンはなぜ、あのとき解散したのか リーダーに聞いてみた

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定塚遼
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 気取ることなく自然体。とことん楽しくバカらしい。結成35年のバンド、ユニコーンが円熟期を迎えている。解散と16年の空白期間を経て2009年に再結成し、12年。「もう解散はしたくない」。リーダーのABEDON(アベドン)はそう語る。「ユニコーンはなぜ解散したのか」。長年聞いてみたかったストレートな疑問を投げかけてみた。

 5人が「ロックンロール」をテーマに持ち寄って作り、8月に発売した「ツイス島&シャウ島」はユニコーンを凝縮したようなユーモアとバラエティーあふれる作品となった。

 リトル・リチャードに思い切り寄せてきた奥田民生作の「ミレー」、同じく奥田によるファッツ・ドミノ風の「ロックンローラーのバラード」、ABEDONによるプレスリー風の「夢 Me Tender」、EBI(エビ)作のベンチャーズ風「米米米(マイベイベイ)」など、それぞれが思う「ロックンロール」曲を作って持ち寄った。作り込まれた感は少なく、ノリ重視でロックンロールのラフな手触りと衝動を残す。

「ダジャレが過ぎる」 一度は無視されたタイトル

 タイトルはなかなか決まらなかった。当初より、ABEDONが「ツイスト&シャウト」ならぬ「ツイス島&シャウ島」というアイデアを出していたが、「最近ABEDONのダジャレがすぎるので、みんなスルーしていた」とEBIは振り返る。

 だが、議論していくうちに、ABEDONが真剣に架空の「ツイス島」と「シャウ島」の地図を描き出し、「ツイス島&シャウ島」の方向に向かっていったという。

 1980年代後半のバンドブームに乗ってデビューした。他のバンドとは一線を画し、熱くなりすぎず戦わず、どこか音楽すら相対化するような肩の力の抜けた実験的でユーモアあふれる作品で異彩を放った。

 「意識的に違うこともやろうとしていたし、とにかく実験をやろうとしていた。音楽的に未熟なのに、片っ端から手を付けてた。でも、試行錯誤は宝になったと思う」とABEDON。

記事後半では、ユニコーンが解散に至った理由や、メンバーが「奇跡」と称する再結成についてたっぷり語ります。

「なぜ解散したと思うか?」 直球の問いに返した答え

 デビュー6年後の93年、ユ…

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    志村亮
    (朝日新聞経済部次長=企業、労働)
    2021年9月2日17時1分 投稿
    【視点】

     一ファンとして拝読しました。「レコード会社や事務所とアーティスト、どっちかが優位になって進んでいく話っていうのは、間違いなく続かなくて、潰れるはずなんですよ。その場限りのものになってしまう」というABEDONの最後のコメントは、あらゆる企

    …続きを読む