菅首相のメッセージ、逆効果か 「明るい話題」の危うさ

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西村圭史 森岡航平
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 新型コロナウイルスの感染状況が急速に悪化する中、菅義偉首相小池百合子東京都知事らが発するメッセージに、専門家から懸念の声が上がっている。「人流は減っている」「治療薬がある」といった言葉が、感染防止の呼びかけに逆行する「楽観バイアス(偏り)」を生んでいるとの指摘だ。

 菅義偉首相は29日夜、首相官邸で記者団に「東京の感染者数は過去最高。強い危機感を持って対応している」と語った。かねて首相が高齢者の感染者数の減少を強調していることが「大丈夫だというメッセージを与えているのでは」と問われると、「ワクチンによって大幅に減少していることは事実だ。そうしたことを示していくことも仕事だ」と述べた。

 国民の命と健康を守り抜く。そう繰り返してきた首相は、猛烈な勢いで進む感染急拡大にこの間どれだけメッセージを発したのか。

 東京都で3千人、全国で9千…

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    プチ鹿島
    (時事芸人)
    2021年7月30日9時37分 投稿
    【視点】

    以前から新聞各紙でも見かける言葉に「コロナ疲れ」「自粛疲れ」というのがあります。でもこの言葉、何か国民の責任みたいなニュアンスも感じてしまいます。正しく言えば菅首相による「説明されない疲れ」ではないでしょうか。政策も含めた「メッセージが無い

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2021年7月29日22時9分 投稿
    【視点】

    パラレルワールドと楽観バイアス。きょうめぐり合った二つの言葉が、頭の中で響きあっています。この二つが沼をつくりだし、そこに危機対応が迫られる政治指導者が足をとられているのではないかと、ちょっと心配しているのです。 「パラレルワールド」

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