(27日、高校野球長崎大会決勝 長崎商5-4大崎)

 「行けるばい」

 3―4の九回2死走者無し。窮地の長崎商ベンチに明るい声が飛び交った。準決勝までの4試合中2試合でサヨナラ勝ち。主将の青山隼也(としや)は「何度も負けそうだったが、勝ち抜いてきた。自信があった」。

 四球二つと内野安打で満塁にして、右打席に久松太陽。相手左腕と相対し、笑った。右方向へおっつけるのが得意な「左腕キラー」だ。外への直球を右前に運んで、同点に追いついた。

 「また生き返ったぞ」。選手らは土壇場の強さを誇るように叫んだ。そして、十回に勝ち越した。

 西口博之監督は、「奇跡を起こしてくれたことにびっくり。全国では69年前の先輩たちの4強という記録を目標にしたい」。(内田快)