第2回他人事だったやまゆり園事件 診断、破談、まさか自分が

[PR]

 障害者らでつくる障害者支援団体「わをん」(東京都)が運営するウェブマガジン「当事者の語りプロジェクト」に7月、重い障害があり24時間の介助を受けながら、訪問介護事業所を立ち上げた男性のインタビュー記事が3回にわたって載った。

 男性は富山市在住の村下秀則さん(34)。筋肉が徐々に弱る難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者で、首から下は動かず、介助者2人が24時間付きそう。実家を離れ一人暮らしをして約2年になる。

 記事では、ALSの診断を受けた際の気持ちから、事業所の設立や一人暮らしに至る決意と覚悟など、リアルな思いが語られている。気管切開をしたため、のどに人工呼吸器の管をつけて車いすで散歩を楽しみ、愛犬とくつろぐ笑顔の写真も載る。

 村下さんがALSの診断を受けたのは、溶接工として働いていた2017年8月。やまゆり園事件から1年ほどが経っていた。事件当時は、自分が障害者になるとは夢にも思わず、「(事件は)自分には関係ない」との思いが強かった。「障害者は周りを不幸にする」といった、事件を起こした植松聖死刑囚の考えに対しては「障害者は施設で暮らすイメージがあり、自由がないと思っていたので、『不幸』と少なからず思っていたかもしれない」と振り返る。

■なぜ…実家に引きこもり その後、人生を変える出会い

 それだけに、診断を受けたと…

この記事は有料記事です。残り1587文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら