兵庫県知事選は18日投開票され、無所属新顔で元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)=自民、維新推薦=が当選を確実にした。前副知事の金沢和夫氏(65)ら、いずれも無所属新顔の4人を破った。投票率は41・10%(前回40・86%)だった。

 井戸敏三知事の引退で20年ぶりとなった新顔同士の争いには、斎藤氏、金沢氏と音楽塾経営の服部修氏(47)、元加西市長の中川暢三氏(65)、元県議の金田峰生氏(55)=共産推薦=の5人が立候補。自民が分裂する混戦となった。

 斎藤氏は事務所であいさつし、「県政を刷新し、新しい兵庫県をつくっていく。守るべきところは守り、変えるべきところは変えたい」と語った。

 斎藤氏は、自民党と日本維新の会の推薦を受けて、吉村洋文・大阪府知事や西村康稔経済再生相ら両党の幹部や閣僚が相次いで応援に入り支持を広げた。兵庫県で長く続いた副知事が知事になる「禅譲」を批判。「県政の刷新」を掲げ、行財政改革で財源を生み出して子どもへの投資を増やすことや、大阪と連携した経済の活性化などを訴えた。

 金沢氏は、井戸知事や多くの自民県議のほか、立憲民主党や国民民主党などから幅広く支援を受けたが、及ばなかった。

 分裂選挙となった自民党にとっては、推薦候補が当選して党本部が面目を保った形だ。維新にとっては、大阪以外の知事選で初めての推薦候補の当選となる。自民の分裂と維新の存在感は、目前に控える衆院選にも影響を残しそうだ。県内12小選挙区のうち10選挙区を押さえる自民は、分裂のダメージを最小限にするため亀裂の修復を急ぐ。(武田遼)