森友記録「ずさんな管理」 二審も不開示は違法と認める

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米田優人
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 学校法人森友学園大阪市)の国有地売却問題で、実際には保管していた公文書を「存在しない」として開示しなかったのは違法だとして、大学教授が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。石原稚也(ちがや)裁判長は財務省の文書管理について「極めてずさん」と批判。33万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

 訴えていたのは、神戸学院大教授の上脇博之(ひろし)氏。控訴審では、上脇氏が開示を求めた文書のうち、国側と学園側、政治家関係者らの面会を記録した「応接録」を、国がどう保管していたかが焦点となった。

 高裁は国側に対し、国会審議で応接録の存在が取り上げられた直後の2017年2月時点の廃棄状況などを明らかにするよう求めたが、国は「いずれも不明」と回答していた。石原裁判長は「ずさんな文書管理の結果、違法に不開示とされた文書の数などが明らかにされなかった」と述べた。

 ただ、すでに文書が開示されていることなどを踏まえ、賠償額の増額を求めた上脇氏側の主張は退けた。

 一審判決は、応接録の一部を廃棄し、残っていた文書もいったん「不開示」とした国の姿勢について「意図的で違法行為にあたるのは明らかだ」と指摘。国会審議で質問される材料を極力減らそうとして、応接録を廃棄したという理由は不適切で「情報公開法の目的に反し、意図的に不開示にしたことは相当に悪質だ」と批判していた。

 上脇氏は判決後の会見で「高裁が、国のずさんな文書管理を認めた意義は大きい。法令に基づいて情報を公開しなければならない国にとって、屈辱的な判決のはずだ」と述べた。また、「最高裁の判断を仰ぎたい」として上告する意向を示した。財務省は「再発防止に努めて参ります」としている。

 森友学園への国有地売却に関…

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