「感染は抑えられない。それが前提」組織委座長の哲学は
姫野直行
緊急事態宣言下、東京五輪の開会式まで1週間あまり。大会の感染症対策を講じるのは、専門家でつくる大会組織委員会の円卓会議だ。座長を務める川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長に、五輪を開いて大丈夫なのか、話を聞いた。
――まもなく東京五輪が開幕します。五輪が感染を広げる可能性はあるのでしょうか。
感染をパーフェクトに抑える方法はない。それが前提だ。
感染を防ぐことをパーフェクトにやるなら、五輪を含めて何もやらない、人が動かないのが一番いい。
人の基本的な暮らしにとってオリンピックは「余計なもの」なんだから。
しかし、五輪には人の社会にとって大きな意義があり、国際的な意味もある。
困っている時にこそ、楽しいことが必要という考えもある。
そうである時に、やれるだけのことはやらなくてはいけないと考えられたのが「バブル方式」だ。
――入国する選手団や関係者が外部との接触を避けるバブル方式で、感染を抑え込めるのでしょうか。
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