「タピオカ化」する日本の世論 歴史学者が見る新しい姿

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聞き手・中島鉄郎
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 世論に敏感とされる菅義偉政権が、東京五輪パラリンピックの開催では、中止や延期を望む声が多かった「世論」を押し切った。「世論は間違える」と口を滑らせたブレーンの学者も出てきた。「世論」とは、いったい何なのだろうか。歴史学者の與那覇潤さんに聞いた。

 ――そもそも「世論」とは何ですか。

 「京都大学の佐藤卓己教授が指摘されていますが、戦前の日本では、パブリック・オピニオン(公論)を指す『輿(よ)論』と、ポピュラー・センチメント(大衆的な感情)を指す『世(せ)論』の二つを呼び分けていました。ところが、いまの大手メディアは常用漢字の制限もあり『世論』としか書けない。結果として『輿論』の世論化が起きています」

 ――かつては「よろん」と「せろん」の二つの概念が使い分けられていた、と。

記事後半では、世論にみられる「タピオカ性」や、ネットにおける「趣味語り」が低迷する要因について語っています。

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■思考の歩留まり消えて短命化…

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