ベビーカーOK、ブルーベリー農園開く 岬町

西江拓矢
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 海水浴場に近い斜面に広がる大阪府岬町の観光農園「ブルーベリーファームみさき」。50歳で脱サラした成子(なるこ)年男さん(52)が6月、十数年前まで父親がミカンやクリを育てていた荒れ地を整備し、本格オープンさせた。今季は33品種が実をつけ、SNS映えするスポットとして人気を集めている。

 実の大きさや味が様々な約370本のブルーベリー狩りが楽しめる。昨年6~8月に試行オープンし、今季から本格的に営業に入った。目印は入り口にある青いキャンピングカー。園内は防草シートが敷かれ、ベビーカーでも移動できる。

 特徴は「ポット式養液栽培」。土の代わりにスポンジ状の素材を入れたポットでブルーベリーを育て、パイプで液肥を自動灌水(かんすい)する。土で育てるより成長が早い。肥料や水やりも自動ででき、農業経験が浅くても取り組みやすい。

 成子さんは阪南市在住。IT企業で27年間営業職をしてきたが、2018年9月に退職。父親が年を取り体力的に手が回らず、荒れ放題になっていた農地を何とかしたいとの思いがあった。果物の収穫が体験できる観光農園が好きだったこともあり、府内では少ないブルーベリー農園に注目。定年を待たず、体力があるうちに挑戦することにした。

 府の農業大学校で栽培技術の基礎を学び、情報発信にも力を入れる。苗の成長や開園準備の様子をブログで発信。さらに会社勤めの経験を生かして事業計画を練り、知人の会社経営者らを回って説明を重ねた。

 「ここまでは70~80点」と成子さん。アライグマや野鳥の被害、コロナ禍など想定外の事態もあった。それでも加工用の販売、地元の業者と協力したスイーツ開発、ポットのオーナー制度など、新たなビジネス展開も考えている。

 成子さんは「アウトドアを楽しめる岬町の魅力を打ち出せば、大阪市内などからの来客を見込める」と話す。さらに品種や本数を増やす予定で、「いずれ町のシンボルフルーツに」との夢も描く。

 今季の営業は土日のみで8月初旬まで。入園料は中学生以上2200円など。マスク着用のほか、摘み取り前の消毒や手洗いを徹底してもらっている。事前予約が必要で人数制限がある。予約は農園のホームページ(https://blueberry-misaki.osaka/別ウインドウで開きます)。(西江拓矢)

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