五輪を控えた東京都に4度目の緊急事態宣言が出た。新型コロナウイルスの感染の波は、1~2週間の判断の遅れで非常に高くなることから、先手を打った形だ。だが、宣言そのものの効果や新たな変異株の広がりなど、不安材料は多い。

 「感染対策の決め手はこれまで申し上げておりますようにワクチンの接種であります」。加藤勝信官房長官は12日の記者会見で、今回の宣言はワクチンの効果が表れるまで全国的な感染爆発を防ぐ措置だとし、理解を求めた。

 政府の集計によると、12日までに全国で29・6%の人が少なくとも1回接種を受けている。このまま重症化しやすい中高年への接種が進むことを前提に、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂会長は8日の会見で、「9月ごろには医療負荷への安心感は今よりも出てくると思う」と述べた。

換気少ない夏、広がるデルタ株…滞るワクチン供給

 しかし、問題は目下の感染拡大…

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