五輪中止求め署名開始 上野千鶴子さんら「命守るため」

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片田貴也
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 日本と世界の人々の健康と命を守るために、東京五輪の中止を求めます――。

 社会学者の上野千鶴子さんら学者や作家、ジャーナリストら13人が呼びかけ人となり、五輪の開催中止を求めるオンライン署名を2日、始めた。開催が目前に迫る中で、首都圏では新型コロナウイルスの感染が再拡大しつつあり、残された時間が少なくなっている切迫感に突き動かされたという。

 署名は、上野千鶴子さんと元外交官の飯村豊さんが中心となって声をかけ、哲学者の内田樹さんや、ノンフィクション作家の澤地久枝さんらが呼びかけ人に名を連ねた。

 インターネットサイト「Change.org」で2日朝から開始。菅義偉首相国際オリンピック委員会(IOC)、日本オリンピック委員会(JOC)、小池百合子都知事らに対し、五輪中止を求める内容だ。提出の時期は未定という。

 要望書では、五輪の「安心安全」をどう実現するのかについて国民が納得いくような説明がされていないこと、首都圏でコロナの感染者数が再拡大する傾向にあること、ワクチン接種率が低いことなどを問題視。「日常生活の抑制を求めながら、コロナクラスターを無数に作る可能性を秘めた五輪開催を強行しようとする不条理」への怒りが深くなっている、と指摘する。

 主催者が「開催ありきで、市民の間には今さら何を言っても無駄だと無力感が広がっている」なかで、「切迫した時期だからこそ、最後のチャンスと考え、あえて言うべきことを言っておきたい」として、「歴史的暴挙ともいうべき東京五輪が中止されること」を求めている。

 中心となった飯村さんは元外…

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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2021年7月2日22時14分 投稿
    【視点】

     今の五輪を巡る議論で気になるのは、五輪は地球規模のイベントという視点が欠けていることです。「参加することに意義がある」のが五輪だと言いますが、参加できないアスリートや国がたくさん出るのであれば、五輪の理念にかなっているのでしょうか?元々S

    …続きを読む