大多喜で発掘した零戦機関銃などを初公開 睦沢

稲田博一
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 1945年8月15日の終戦の日に、連合軍機と戦って千葉県大多喜町泉水に墜落したとみられる零戦の機関銃やエンジンの部品などが、26日から同県睦沢町立歴史民俗資料館で始まった企画展「太平洋戦争」で初公開された。慰霊のため、2014年から零戦の墜落場所を探していた人たちが、この1月に発掘したものだ。9月26日まで。

 展示されたのは、大多喜町で発掘された零戦の資料63点を含む約140点。零戦の主翼に搭載されていた20ミリ機関銃のほか、機首付近から掘り出された13・2ミリ機関銃の薬莢(やっきょう)、エンジンの周りから見つかったシリンダーとピストン、くしゃくしゃになって見つかった機体の外板など。

 墜落した零戦を操縦していた可能性のある杉山光平上飛曹=静岡県出身=と、増岡寅雄一飛曹=熊本県出身=の遺影や手紙などの資料なども展示された。増岡一飛曹からおばさんにあてた手紙には、「別れる時、しっかりと手を握った時は、胸がいっぱいになりました」「僕は幼稚園時代から、絵と唄が好きだった」などと、優しい人柄をしのばせる文章がつづられていた。

 零戦を掘り出したのは、睦沢町文化財審議会委員の幸治(こうじ)昌秀さん(77)や、同館学芸員の久野一郎さん(64)とその知人ら。房総半島中部の日本軍機の墜落場所を探し、操縦士を慰霊する活動を続けている。現場からは人骨とみられるものも見つかっており、DNA型鑑定を進めている。

 展覧会ではこのほか、同県栄町で45年4月25日に墜落した零戦のプロペラや、睦沢町で45年2月17日に墜落した陸軍の緒方淳男中尉機から見つかった落下傘なども展示された。

 月曜日休館。入館無料。問い合わせは同館(0475・44・0290)。(稲田博一)

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