シドニーで1年ぶり都市封鎖 変異株「すれ違い感染」も

シドニー=小暮哲夫
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 オーストラリアの最大都市シドニーの中心部で26日、13カ月ぶりのロックダウン都市封鎖)が敷かれる。16日に41日ぶりに発生した新型コロナウイルスクラスター(感染者集団)が、25日までに計65人に増加。インドで確認された感染力の強い変異株(デルタ株)がさらに広がる心配が高まり、封鎖に踏み切る。

 対象は、シドニー都市圏(人口約540万人)のうちシドニー中心部と東部の計4地区(同計50万人)で期間は1週間。住民以外にも4地区に過去14日間、通勤した人は居住地に関係なく外出禁止の対象になるため、100万人以上が影響を受ける模様だ。対象者は自宅でできない仕事や学習、必需品の買い物と運動、医療や介護の目的以外は外出できない。

 シドニーでは、昨年3月下旬にロックダウンが敷かれたが、昨年5月中旬から段階的に解除。メルボルンなど国内の他の大都市では昨年後半以降も短期間の都市封鎖が敷かれてきたのと違い、検査を奨励して感染経路の追跡を徹底することで感染を封じ込めてきた。

 だが、6月16日にシドニー空港から国際線の客室乗務員を宿泊先のホテルに送迎する車両の運転手の男性の感染が判明。地元ニューサウスウェールズ州によると、今回はデルタ株による感染で、この男性と、ショッピングセンターで数秒間すれ違っただけで感染したとみられるケースもあるなど、従来のように感染に歯止めをかけることが厳しくなりつつあった。(シドニー=小暮哲夫

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