第5回熱狂元々なく、感染者は増 「始まれば盛り上がる」のか

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 「母親になってもやりたいことに挑戦する」

 神奈川県の30代女性は、3歳と5歳の子どもにそんな姿を見せたくて、大会ボランティアになった。「世界中の人が集い、スポーツを通して感動を分かち合う祭典を一緒に作りたい」と思った。

 大学時代はヨーロッパやアジアの20カ国以上をバックパッカーで旅をした。見知らぬ町で、そこに住む人たちに助けられたように、日本を訪れる海外の人の力になりたいとも思った。

 昨年3月、コロナ禍で大会が延期になると、「本当に安全なのか。感染したらどうしよう」と不安が募った。同世代の母親は「運動会や習い事の発表会はなくなったのに、なぜ五輪はあるの」と不満を口にするようになった。

 そこに、大会組織委員会前会長の女性蔑視発言、開閉会式の演出を巡る混乱も続いた。だんだん気持ちが冷めていく。菅義偉首相は「コロナに打ち勝った証し」を掲げたが、4月には3度目の緊急事態宣言が東京などに出された。

 5月27日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、約200カ国・地域の選手向けオンラインフォーラムで言った。「競技は安全に、選手を尊重して行われる。自信をもって東京に来て欲しい」

 6月、大会ボランティアであることを友人に伝えることもなく、辞退した。

「支持率ずっと低かった」

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