「田中角栄研究」などの調査報道や、科学の最先端に迫るノンフィクションで知られたジャーナリスト・評論家の立花隆さんが亡くなった。「知の巨人」と呼ばれた故人を知る人たちから、悼む声が次々にあがっている。
鎌田慧さん「雑誌ジャーナリズムのピークの象徴」
ルポライターの鎌田慧さん(83)は、同世代の立花隆さんの「田中角栄研究」について「雑誌ジャーナリズムのピークの一つの象徴だった」と評し、その死を悼んだ。
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大きな存在だったと思います。彼がフリーライターになったころ、雑誌はライターをどんどん使い、取材費をかけて企画を作れる時代でした。彼が亡くなって、このころのライターで今も生きているのは、柳田邦男と僕ぐらいになってしまいました。
「田中角栄研究」というのは、雑誌ジャーナリズムのピークの一つの象徴なんですよね。彼が調査の方針を明確に示し、多くの取材者を使って資料を集める。それを分析することで、あれだけの仕事ができたわけです。大人数で取材をしてアンカーが文章化するという手法は雑誌ジャーナリズムが始めたことです。僕も笹川良一について報じていますが、やはり角栄研究が象徴ですね。雑誌ジャーナリズムが本当に輝いていた時代でした。今は出版社がお金を出さないからできないですけどね。
彼には総合力がありました…
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