「姉妹みたい」な宝塚元トップ3人集結 同期轟悠の絆も

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杢田光 河合真美江
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 宝塚歌劇史上に燦然(さんぜん)と輝く「華の71期」が夢の再集結を果たしました。1985年に入団し、同時期にトップスターを務めた愛華(あいか)みれ=花組、真琴(まこと)つばさ=月組、稔幸(みのるこう)=星組。同期でレジェンド男役の轟悠(とどろきゆう)の退団日が10月に迫るなか、愛情たっぷりのエールを送ります。

ポッドキャストでも、河合真美江記者がさよなら公演について語ります。

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退団あまりに突然で…

 ――今年2月、4人で念願のスペシャルショー「テトラ・ヴォイス」を開きました。お稽古中に轟さんから退団の決意を聞かれたそうですね。

 愛華 お稽古が始まって間もない頃、打ち明けられたんです。

 真琴 やめると聞いて、あまりに突然で、私たち言葉を失いました。

 稔 退団までハードスケジュールのはずなのに、その間に私たちとショーをする夢をかなえてくれたんだなと。これは絶対に成し遂げなければと、エンジンがかかりました。

 愛華 4人でやるのは還暦ぐらいかなってのんきに思っていたから、人生を振り返って、いろんなことを考えた。青春時代にもタイムスリップしましたし。

 真琴 下級生の頃に戻った感じ。一緒に並んでステップを踏んだり、カゲコーラスまでやっちゃったりして……。

 稔 いつも宝塚の頂点でスッとした姿を見せているイシちゃん(轟)を、めちゃくちゃに巻き込んでしまって。今までにない特別なステージだったよね。

 真琴 OGや後輩たちが配信を見てくれて、「うらやましい」って。

 愛華 私にも「ともに35周年を一緒に祝える同期生がいるってスゴイね」というメッセージがたくさんきて、とても誇らしかった。

 稔 本当だね。このご時世で開催すること自体も悩んでいたから、そういう反響はありがたかったね。

 真琴 私たち「仲いいね」って言われるじゃない。仲の良さにはいろんな形があって、私たちは、1人に何かあると皆がそれぞれに考える。「自分がその時何をするべきか」って。そのチームワークが抜群!

4人でトップに立った時代や音楽学校の思い出、そして轟さんへのエールをたっぷり語ります。

 愛華 姉妹みたいなんです。絶妙よね。ファンの方から「若草物語」の4人みたいですねってお手紙をもらい、「えっと誰が誰だ?」って。前世もどこかで会っていたんだろうなって強いご縁を感じます。絶対見捨てない。

 稔 そう。見捨てないんだよね。コロナで一度延期になって本番を迎えるまでは大変だったけれど、それぞれがそれぞれを見つめ直して、一から3人との関係を考え直せた大切な時間だった。同期だからそれができたんだと思う。新しい糸で紡ぎ直す作業ができた気がするな。

 愛華 テトラという題名と一緒で「4面」の個性はそれぞれ違うけど、どこかが触れ合っているような。イシちゃんを通して、この4人が同期でいることの絆、結びつきを深く感じました。あの時に受験していなければ、こんなチャンスは無かったから。一緒にトップになれて本当によかった。改めて、幸せをかみしめました。

 真琴 ショーの一番最後の回に「じゃ、20年後ね」ってイシちゃんが言ってくれたじゃない。もうひとつ先の未来をともに一緒にいようとしてくれていることに、ぐっときちゃった。

 稔 そこに私たちの存在を描いてくれたのがすごくうれしかったよね。

 愛華 ほんとほんと。でもさ、20年後、みんなどうなっているかな?

 真琴 私は、イシちゃんが、薪を割っている姿が浮かぶ。絵を描きながら、薪を割って、「あ、来た?」みたいな感じで私たちを待っているの。

 愛華 「温泉わいてるよー」ってね。

 真琴 ねえ、じゃあそこに、みんなで「やすらがない郷(さと)」っていうの作らない?

 稔 安らげないんでしょ?

 真琴 自分の意思で、安らがないのっ。

 稔 でもさ、宇宙に行ったりしちゃうかもね。「ちょっと火星に行ってくる」とかって。

 愛華 確かに(笑)

   ♪   ♪…

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