五輪PVなどで最大数百人の感染増と試算 「抑制が鍵」

嘉幡久敬
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 五輪の開催が東京都内の新型コロナウイルスの感染拡大にどう影響するかを、東京大の仲田泰祐准教授(経済学)らのチームが試算し、17日公表した。競技会場に来ない人たちが、パブリックビューイングや飲食店での応援などを通じて感染を広げる「間接的な影響」を抑えることがカギになるという。

 競技会場への来場者が感染を広げる直接的影響と、会場に来ない人による間接的影響に分けて試算した。直接的影響では、全会場合わせて1日平均約15万人が来場すると仮定。観戦後に飲食店に立ち寄るなどリスクの高い行動を取る人を差し引いた「直帰率」との関係も計算したところ、五輪が開催されない場合に比べた1日あたりの新規感染者数の増加分は10~80人となった。直帰率を高めることである程度抑制できるという。

 一方、間接的な影響は過去の五輪時のデータがないため、今春の花見シーズンと同等の気の緩みなどによる感染拡大にあてはめて計算したところ、新規感染者の増加分は最大で数百人規模になった。間接的影響の方が大きいのは、対象が都民全体に広がるためだ。

 五輪開幕時の感染状況は、ワクチン接種のペースや変異株の割合などが影響するため、不確実性が大きい。仲田さんは「観客数の上限の設定などの基本方針は、感染状況に応じて柔軟に変更することが重要だ」と指摘している。(嘉幡久敬)

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