「無症状は年齢性別に差異なくいる」世田谷区が独自調査

中山由美
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 新型コロナウイルスに感染しながら無症状の人の実態を独自に調査してきた東京都世田谷区は、調査結果と分析を厚生労働省に報告した。9日、厚労省を訪れた保坂展人区長は、調査結果を今後のコロナ対策に生かすよう提言した。

 区は、昨年10月から介護事業所や障害者施設などの入所者や利用者、職員らで、無症状の人を対象に検査する「社会的調査」を実施。陽性が判明した78件について、慶応大学医学部臨床研究推進センターの西原広史教授が分析した。

 その結果、無症状の感染者は年齢や性別に差異なくいる▽78件の半数近くはウイルス量が多くて感染性が強く、70代以上に多かった、といった点が明らかになったという。西原教授は「高齢者が利用する施設でも、無症状陽性者を介してクラスターが発生しやすい危険がある」とみている。

 ウイルス検査は、微量の遺伝子を検出するため増幅させて見つける。少ない増幅回数で検出されれば、ウイルス量が多く、感染性が強いことになる。世田谷区の調査では、増幅を何回繰り返したかを示す「Ct値」に注目。保健所の調査での「Ct値」の活用や、感染性が弱いとわかった人は健康観察期間を短縮して社会復帰を早める、といった運用を検討するよう、厚労省に要望した。中山由美

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